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帝の赤裸々日記

 

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2009,4,6 3001年地球の旅。第2章・16
2009,4,5 3001年地球の旅。第2章・15
2009,4,4 4月6日の日3001年地球の旅。第2章・4
2009,4,3 3001年地球の旅。第2章・13
2009,4,2 3001年地球の旅。第2章・12
2009,4,1 3001年地球の旅。第2章・11

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3001年地球の旅。第2章・16 2009,4,6
「海賊の星・第16話」

「了解ですっ」小耳は嬉々として答えた。
そうして、キャプテン・フリスキーは出ていき、小耳はポメと二人きりになった。
「本当に夢みたい!地球に降りれるなんて」「ははは、まあ結果はどうであれ、良かったですね」
小耳は今日のネコマンマ料理をほうばりながら、身を乗り出した。
「あなたたち海賊も地球をアジトにしてるんでしょ?」「それは答えれません。唯一言えるのは・・・我々のアジトは、全宇宙です」
「でも、地球はあなたたちの本拠地って言われてるわよ」「まあ、地球は我々にとっては庭のようなものですが」そうして、ポメはドアに手を掛けた。「また明日、迎えに参ります」
そう言うと、ポメは頭を下げて部屋を出ていった。
ブラウン・キャット号のハッチはシャトルのものとは比べものにならないくらい大きかった。
格納庫にはバトルシップ整然とならび、まるで映画の世界に飛び込んだようだった。
小耳とポメを乗せた脱出用ポットは静かにハッチを出発し、小さな隕石を装い、地球の海岸沿いに時着陸した。
暗いスロープから、小耳は外に出た。
冷たい風が頬に当たった。
小耳の目の前に、地球の大自然が広がった。
地球は、やたら風が寒くて、日差しが暖かくて、青空のまぶしい星だった。何かは分からないが強い匂いがして、鼻をくすぐられて小耳は小さいくしゃみが続けて出た。
強く・・・・とても良い匂いだった。
「ここが・・・地球」小耳はつい言葉が出た。
ネコマンマ星とほぼ同じ重量だが、地球の方が起伏が激しく、山や海の入りくみ方が細かく鮮やかだ。「こんな世界・・・神様にしか創れないわ」小耳は呟いた。
ポメは静かに頷いた。「さあ、夜を待って隠れ家を探そう」「なぜ夜を待つの?」
「この星では、不審な者を連邦軍に通報するきまりがある。一応、住民は少ないと思うけど、用心のためだよ」ポメは答えた。小耳はうなずくと、ため息をついた。

3001年地球の旅。第2章・15 2009,4,5
「海賊の星・第15話」

「ええ?そんな恐ろしい場所に私達の先祖は住んでいたの?」
ポメは軽く笑って言った。「住めば都、でしょう」そして、ドアを開けながら言った。「でも、何故か、移住時代・・・・かなりの人数の地球人が残ったみたいですよ」
そう言ってドアから出ようとして、誰かにぶつかりそうになった。「おっと!・・・あっ、キャプテン」
その開けたドアからキャプテン・フリスキーが入って来た。
「小耳、元気そうだな」「フリスキーさん!おかげさまで」
キャプテン・フリスキーはそのまま小耳のテーブルの反対側に座ると、小耳を見た。
「キャプテン・フリスキー、どうしたの?」小耳は不思議そうな声で聞き返した。
「うむ。君には、明後日連邦軍との交渉に人質をお願いすることになるのだが」「ええ、わかってるわ」小耳は少し緊張しながら答えた。
「明日、先に地球に降りて欲しい」
「え?地球に?」小耳は聞き返した。
「奴らのことだ。地球の直前で待ち伏せして、工作員を送り込んでくる可能性がある。すなわち、先に君をどこかに隠したと告知する」
「わかった」小耳は頷いた。そして、キャプテン・フリスキーに言った。「逆に嬉しいわ。こんな状況になっても、地球は・・・素晴らしい星、ずっと憧れてた」
それを見ていたキャプテン・フリスキーはニヤリと笑って言った。「地球の何が素晴らしいんだ?」
小耳は少し驚いた風に言った。「何って、だってね!荒々しい大自然、知識人のハイソサエティ・コミューン、清楚できれいな別荘、科学変動の行われていない気候・・・素晴らしいとしか言い様のない星だわ」
キャプテン・フリスキーは微笑んだ。「それは君の目で確かめるんだな」
小耳はキョトンとした。なにかしら、この言葉の意味は・・・私の話がおかしかったかしら?
「君を危険な目にも会わせたくない。地球の上では我々の仲間が監視している」
「僕が一緒に行きます」ポメがそう言った。「うむ。そうしてくれ」
キャプテン・フリスキーはそう言うと、また小耳に振り返った。
「では、明日の夕方5時に出航する。準備しておいてくれ」

4月6日の日3001年地球の旅。第2章・4 2009,4,4
「海賊の星・第14話」

「わかった。すべて言う通りにする」司令官は答えた。
「では、また」キャプテン・フリスキーはテレックスに手をかけた。
「待ってくれ」ジャムは声をあげた。「小耳は・・小耳は」
すると、大男は言った。「ジャムくん、君は幸せものだ」キャプテン・フリスキーは踵を返し、テレックスが切れた。
「小耳さんは生きているのでしょうか・・・?」近くにいた兵士が司令官に聞いた。「さあな。もし生きていないとしたら、交渉もクソもない」司令官が答えた。
「小耳は生きています」ジャムは言った。「なに?」
「分かるんだ。あの海賊は嘘を言っていない」「何が分かると言うのだ?奴の・・・」「分からない。だけど、信用できる」
ジャムは元気が出てきた。「とにかく、4日後だ」


ブラウン・キャット号の中の生活は楽しかった。
男性の戦闘員ばかりでなく、普通に女性もいて、中でも同い年くらいの数人と仲良くなった。多分、家族が同じ船で暮らしているようだった。
ただ、小耳は、船内全ての場所へは行ってないので、乗務員全員を把握出来ているわけではなかった。だが、だんだん小耳は楽しい船旅のような感覚になっていた。
「ねえ、ポメ」人質交換の2日前、小耳は食事を運んでくれたポメに話かけた。
「何ですか?」ポメは相変わらずの人懐っこい笑顔で答えた。
「地球って、どんなとこ?」
小耳はついに明後日と迫った地球到着に少し興奮していた。「地球ですか・・・」ポメはテーブルにトレィを置きながら、ちょっと考えるそぶりをした。
「そうですねぇー、何もかもが荒々しい星です」「荒々しい?」「ええ、熱く寒く、風は強く夜は静かで、海の波は高く、たまに地震が大陸を揺らします」

3001年地球の旅。第2章・13 2009,4,3
「海賊の星・第13話」

すると横にいた司令官が急に口を出した。「私は地球地方司令官、フックンだ。彼を保護する役を任されている。このテレックスに同席させて欲しい」
キャプテン・フリスキーはあまりどうでもいいという風に言った。「好きにしろ」
フックン司令官はひきつった愛想笑いをした。「ありがとう」
大男は画面越しにジャムを見た。
「さて、君がジャムくんか?」「そ、そうだ」ジャムは少しこわばった。
「君の彼女・・小耳は大変素晴らしい女性だな」「え?」ジャムは聞き返した。司令官は驚きを隠せなかった。「な、なんだ?」
「勇気、行動力、そして愛情。どれをとっても、なかなか普通の女性ではないな」「そ、そうですか・・・ありがとう」
ははははとキャプテン・フリスキーは笑った。
「小耳さんは我々が大切に預かっている。安心してくれ」
ジャムは肩の力が抜けた。「そうか、良かった・・」
ジャムは椅子に座り、ため息をついた。
「信じられるものか・・・」フックンが小さく呟いた。
「さて、ジャムくん」「な・・・なんだ」「我々の仲間をそちらで預かってもらっているが」
司令官が口を挟んだ。「私が大切にお預かりしている」「お前に聞いているのではない。軍人よ」グッと司令官は口をつぐんだ。
なんという威圧感だろう。ジャムは少し恐ろしくなった。
「小耳を・・・出してくれ」ジャムは声を搾り出し頼んだ。
しかし、キャプテン・フリスキーは冷たく言った。「だめだ。交渉が済むまでは会わせられない」司令官は言った。「死んでいたらどうするんだ!」
「我々海賊は嘘をついたことはない」キャプテン・フリスキーは言った。「それが、お前たち軍人との違いだ」
司令官は、チッと小さな声で舌打ちすると、こう言った。
「では、交渉内容を聞こう」
「簡単なことだ。人質同士、交換する」
「方法は」司令官はさらに聞いた。
「ギリシャの砂漠アテネで、4日後の午後3時。シャトルに乗っていた乗客をそのまま乗せてこい。まずは我々から小耳をそちらに解放する。小耳がシャトルに着いたら、我々の娘をこちらに返してくれたらいい」

3001年地球の旅。第2章・12 2009,4,2
「海賊の星・第12話」

それから、あのジャムの嫌いな薄ら笑い顔になった。「必ず・・・海賊を捕らえてやります」
ジャムは司令官に顔を近づけ言った。「小耳を助けることが優先だ。小耳に何かあれば、お前をぶっ殺す」
司令官はジャムからスッと離れた。「わかってますよ。では、また連絡をいたします」
そう言って、司令官は後ろを向いた。「あ、そうそう。私との話はご内密に。どこに海賊のスパイがいるかわかりませんので」最後にそう言い残すと、カツカツと軍靴をならし、会議室を出て言った。
それから、2日が経った。ジャムは気が遠くなりそうだった。
何かしたいが、シャトルが降りたチリ宇宙空港はほとんどの星と同じような都会で、観光したい場所は何もなかった。
ジャムは毎日を窓を眺めながら過ごした。
何時間も何時間も、窓を眺めた。
こんなに、小耳を愛していた。いつも一緒だったから、逆に気づかなかったのだ。
もっと二人の時間を大切にしたら良かった。
いろんな仕草をする小耳が浮かんでは消えていった。
その時、突然ドアが鳴った。
ドンドン、ドンドン!
「な、なんですか?」
ドアの向こうで女性が言った。「ジャムさん、海賊から・・・海賊からテレックスです」
ジャムは急いでドアを開けた。そこに、いつものフロントの火星人の女性と、フックン司令官が立っていた。
「なんと、キャプテン・フリスキーから、あなたへ、です」
「繋いでくれ」ジャムが言うと、女性はインカムでボソボソとしゃべり、部屋の中央に位置する画面に電源が入った。
そこに、テレビでたまに見る、あの海賊が映っていた。
その大男は、未だかつてジャム見た人類の誰よりも血生臭い戦う男の匂いが、画面を通して伝わってきた。ジャムは鳥肌が立った。いや、ジャムだけではなく、そこにいた者全てが、だろう。
「あ・あなたは?」ジャムは問いかけた。「私は、キャプテン・フリスキーだ」

3001年地球の旅。第2章・11 2009,4,1
「海賊の星・第11話」

数日たった。
ジャムは、突然ホテルの会議室に呼ばれた。すると、シャトルから出てきた時に声をかけてきた軍人がそこで待っていた。
「やあ、元気になりましたか?ジャムくん」「あんたか。何の用だ?」あからさまに不愉快な態度のまま、ジャムは椅子に座った。
司令官は少し胸を張ると、ジャムを下に見ながら言った。
「あの脱出ポッドが見つかりました」
ジャムは椅子から飛び上がった。
「ほ、本当かっ!」そして、司令官の襟首をつかみ、叫んだ。「小耳は・・・?小耳は無事かっ!!」司令官はゆっくりジャムの手を掴んで言った。
「無事」ジャムは司令官から手を離し、ため息とともに床に目を落とした。
「良かった・・・」「無事だと思われます」司令官の言い直した言葉に、ジャムは耳を疑いながら、すぐ聞き返した。「なんだと?どういうことだ?」
「まだわからんのです。正確に言うと、ポッドは見つかりましたが、中に小耳さんはいませんでした」
ジャムはヘタヘタと椅子に座り込んだ。「・・・説明してくれ」
はい、と司令官はうなずくと、こう説明しだした。
小耳を乗せていたと思われる小型船は、遠く離れた場所ではなく、なんと地球の軌道上に浮かんでいた。そして、荒れた形跡もなく、 ただ忽然と小耳だけが消えていたという。
「どういうことなんだ・・・」
「おそらく」司令官は言った。
「海賊が小耳さんを確保したのではと」「なんだと・・・」ジャムは一瞬言葉を失った。
「多分、これから海賊からのコンタクトがあります。ジャムくんは小耳さんの身内として、交渉人になっていただく」
「当たり前だ。小耳は俺が守る」ジャムは机をコブシで叩いた。「ハッハッハ、その意気です」司令官は笑って言った。


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